放送大学・特別講義「風狂」篇に出演します+掛け軸の絵師・川島草堂は熊楠の友人

 
春たけぬ 蝶のもろ翅の うすきまま      (吉岡 実)

 詩人の吉岡実さんの句集(没後出版です)『奴草』から。モンシロチョウの薄くて白い羽をイメージしての句でしょう。現代詩の世界では前衛派の吉岡さんでしたが、俳句の実作者としては、庶民の暮らしに哀歓の情を詠う作を残しました。今年の春ももうすぐ五月、というのに、このところ花を求めて飛ぶ蝶の姿を見かけることがめっきり少なくなりました。

 さて、僕が出演します「放送大学」特別講義の或るシーンの画像を、まずお目にかけます。どうぞ。

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 なかなかキマッタ?構図でしょう(笑)。担当の西村厳隆(よしたか)ディレクターは凝った絵作りが得意なので、あまり「放送大学」というイメージではありませんが、これはれっきとした特別講義の番組で、近々に一回目の放送があります。皆さんにぜひご覧いただこうと、ここにPRさせてください。

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 完成した番組DVDを送ってもらったので、わが家のリビングで鑑賞しました。その際、デジカメで各シーンをパチリ、です。まずタイトル、「風狂を生きる精神~一休・蕭白からアラーキーまで」、です。キーワードは「風狂」。つまり、世間の思惑などを気にせず、自分の信じる道をひたすら進む、奇人変人キャラの人物が主人公なのです。日本の文化史に、そうした型破りのアーティストを探って、僕がレポートします。

 一昨年に放送した特別講義「文人精神の系譜~与謝蕪村から吉増剛造まで」が、お陰さまで好評を博しましたので、第二弾の企画となった次第。まずはキーワードのこの「風狂」を番組で再定義しましょう。舞浜の放送大学スタジオで収録しました。

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 風狂を自称したのは、室町時代の禅僧で漢詩人だった一休でした。「とんちの一休さん」は江戸時代に『一休咄(いっきゅうばなし)』などの笑い中心の読み物が流行したせいで定着したイメージですが、一休宗純そのひとは、どうにも世間の常識でつかまえられるような御仁ではなかった。その足跡探訪で、奈良に近い京田辺市の一休寺を訪ねました。

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 続いては、「奇想の画家」を代表するひとりとして目下大注目の江戸期の絵師だった曾我蕭白です。かつて蕭白が長期滞在して絵を残した三重県の松阪市のお寺を、現代美術家の小瀬村真美さんと訪問しました。小瀬村さんもまた、現代の風狂精神を発揮して、個性的なアート作品を作っています。最初は朝田寺です。

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 同じ松阪市の継松寺には、先日上野の東京都美であった「奇想の系譜」展にも出てました、「雪山童子図」が所蔵されています。大広間の大きな床の間に掛けていただき、小瀬村さんとじっくり鑑賞できたのはラッキーです。

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 最後に訪ねたのは、写真家の荒木経惟(のぶよし)さん、ことアラーキーの個展会場です。

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 実は番組の冒頭にもアラーキーが登場して、実際に個展会場で僕がプレゼントされた人妻ヌード写真集!の画像が何枚も現れるのですが、それをここで披露するのはやはり憚られます(笑)。そのシーンは番組のなかでじっくりご覧ください。

 いやあアラーキーさん、ロケ当日はおおいにノッてくださいました。マシンガントークが弾けます。

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 現代の風狂を生きるアーティストの代表格、アラーキーの世界に突入して番組はジ・エンドです。

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 以上、予告編でした(笑)。さてさて、肝心の最初の放送日時をお知らせします。ちょうど一週間後の5月6日(月・祝)の夜です、20時15分から21時までオンエアされます。45分の番組。BS231チャンネルで、どなたでも自由に視聴できますよ。(昨年まで?なら関東圏では地上波でも見ることが出来たのですが、現在ではBSのみです。)皆さん、どうぞ予約録画をセットくださいませ。わが家もこれからセットしておきます。一週間前からOKのはずです。

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 もうひとつ、小さな話題を。ご覧いただきましたのは、わが家のリビングに掛けた牡丹之図の掛け軸です。毎年この季節、当ブログでは、この風になびく牡丹の花の絵を紹介していますが、これを描いた絵師の川島草堂という人物のこと、これまで特に注意も払っていず、骨董趣味のあった曾祖父あたりが、地元の紀州ゆかりの画家のものを集めたのだろう、くらいに思っていました。いやまさにそうなのですね。川島草堂(1880~1940)、本名を友吉といって、紀州は田辺出身の画家です。雅号は、白浜町にある草堂寺からとった、とのこと。しかし、この草堂さん、実は田辺に暮らしたあの南方熊楠と明治35(1902)年に出会って以来、親しい友人となったそうです。熊楠が採取した標本を模写したりもして、いわば研究の手助けも行ったのですね。

 いや、そう知ると、この牡丹之図、ありがたいものに見えてきます(笑)。

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 お別れの引用句、「風狂」を論じた唐木順三から、としましょう。

「風狂は単に俗に対する狂にとどまらない。狂をも風化してしまひ、狂を自然化してしまふといふところがある。世俗から脱落するところに反つて自然を見出すのである。」

               (唐木 順三  『詩とデカダンス』)

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