DIC川村記念美術館では画家の彫刻展OP+恵比寿のMA2では手塚愛子展とシス書店は赤木仁展です

 鳴く蟲の ただしく置ける 間(ま)なりけり    (久保田 万太郎)  9月も半ばとなり、夜に外に出ると、秋の虫の声が大きくなりました。万太郎、本職は劇作家で演出家。ですから、虫の声だって間を測って聴いていますね(笑)、さすが。さあやっと涼しくなってくれるでしょうか。  千葉県の佐倉市にあるDIC川村記念美術館…
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和歌山市の加太と堺市を歴史散歩。堺市では短歌結社「未来」の大会へ。

 瑠璃沼に 滝落ちきたり 瑠璃となる      (水原 秋櫻子)  この「折々の句」コーナーにこれまで秋櫻子の句を引いたことはなかったと思います。が、佳い句をたくさん残していますね。客観写生、対象の色彩は明るく輪郭は鮮明、滝の涼気がよく伝わります。虚子の世界をうんとモダンにしたものでしょう。  先日は郷里の紀州和歌山への…
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東京芸大美術館の「円山応挙から近代京都画壇へ」、これは名作が目白押し、必見でしょう

 滝の上に 水現れて 落ちにけり    (後藤 夜半)  夜半(やはん)は虚子の弟子で、昭和の戦前戦後に活躍しました。本職は大阪北浜の証券マン。これは箕面の滝を詠んだ連作のひとつですが、高橋睦郎さんは「虚子の称える客観写生に徹することで客観写生を通り抜け、ほとんどコンセプチュアルの域に達した句」と解説してますね。確かにその通り…
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郡上八幡を訪ねました。踊りと湧き水の街ですね。

 谺(こだま)して 山ほととぎす ほしいまま    (杉田 久女)  炎暑の毎日ですが、こんな夏の句を読むと、高い山に登り郭公の声を耳にして、山の涼気に触れる思いです。久女、虚子門下で「ホトトギス」で活動し、近代の女性俳人の牽引者のひとりでしたが、なかなか波乱の多い人生、モデルとなった小説も多く書かれています。 …
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国立新美のボルタンスキー展、見応えがあります+『荷風と玉の井』トークイベント、なかなかの盛況でした

 金魚大鱗(きんぎょ たいりん) 夕焼(ゆやけ)の空の如きあり   (松本 たかし)  関東地方、やっと長い梅雨が明けました。この句、赤い金魚の大きな鱗を詠んだものですが、例えられた夕焼けの空、まさに梅雨明けの真夏の夕空、でしょうね。作者は、明治39年に宝生流の能役者の家に生まれたのですが、病身のために能楽の世界に生きることを…
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シス書店では「透明な夢」展がオープン+紀伊国屋書店イベントスペースで『荷風と玉の井』刊行記念トーク

 人ごゑに 慣れたる蠅の 黒きかな   (高柳 克弘)  第二句集の『寒林』からです。黒い蠅も、言ってみれば夏の風物詩のひとつでしょうが、このところ蠅にしろ蚊にしろ、眼にすることがめっきり少なくなりました。蝶の姿も蝉の声も年々減っていますよ。おい、地球、大丈夫なのか、です。  恵比寿駅前のシス書店では、「透明な夢」展が開…
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ワタリウムではジョン・ルーリー展、愉快です!+エスパス・ルイヴィトンではボルタンスキー作品

  夕立の ふりそこなひに 出会ひけり     (加藤 郁乎)  まだ梅雨の真っ最中ですから、夕立を出すにはちょっと早いのですが、句集『初昔』(1998年)のなかにこれを見つけて面白いので引きました。「ふりそこなひ」とはどういう様子を言うのでしょう?イクヤ―ノフ氏、例によって形而情学的難解俳句、です(笑)。  先日、外苑…
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掛け軸を鮎の絵に替えました。美術品、ご覧ください+四季派学会の夏季大会は29日、ゲストは作家の島田雅

   黴(かび)の香に わかれて書庫を いでにけり      (久保田 万太郎)  書庫の蔵書が、梅雨の季節、黴の匂いを漂わせている、というのでしょう。こうした本は和本かな。劇作家で俳人でもあった万太郎、その家の書庫にはどんな書物が架蔵されていたのかなと想像します。句集はもちろんですが、江戸期の歌舞伎関連の版本などが多かったので…
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笠井叡さんの舞台「神々の残照」、壮観でした+世田谷美術館では小野二郎展、お見逃しなく!

 白牡丹 ひらきかかりて 暮れてをり     (長谷川 櫂)  初夏、梅雨になる前あたりの風景でしょう。牡丹の花の白さが夕靄のなかに映えるよう。櫂さんの第二句集『天球』(1992年)から引きました。初々しい情感が出ています。さあ今年もはや六月を迎えました。  5月25日(土)の午後でした。半蔵門駅で降りて、久しぶりに国立劇場…
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東博の東寺展、帝釈天像は見逃せませんぞ+府中市美のへそまがり日本美術、愉快でした

   乙鳥(つばくろ)や 小路名多き 京の町    (井上 井月)  信州伊奈の放浪俳人・井上井月(せいげつ)は江戸末期のひと。「乞食井月」と称され、最期は路傍に野垂れ死にだったそうですが、品のある佳句をたくさん残していて、芥川龍之介がファンでした。現在、『井月句集』は岩波文庫です。燕を詠んだこの句、確かに燕の視線からは、京の町…
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放送大学・特別講義「風狂」篇に出演します+掛け軸の絵師・川島草堂は熊楠の友人

  春たけぬ 蝶のもろ翅の うすきまま      (吉岡 実)  詩人の吉岡実さんの句集(没後出版です)『奴草』から。モンシロチョウの薄くて白い羽をイメージしての句でしょう。現代詩の世界では前衛派の吉岡さんでしたが、俳句の実作者としては、庶民の暮らしに哀歓の情を詠う作を残しました。今年の春ももうすぐ五月、というのに、このところ…
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砂丘館では加藤啓展と俳誌「白茅」創刊記念イベント+新潟の「豪農の館」に感動しました

   春寒や 棄民にとほき 夕ごころ      (安東 次男)  俳句のなかに「棄民」なんていう言葉を持ってくるところは、さすがあんつぐさん、です。棄民、政府によって切り捨てられた元自国民、という意味ですが。詩人の中村稔さんが、「普通の俳人の俳句とは違うところがある。句以前の世界の拡がりがあり、その世界が十七文字に凝縮されている…
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原美術館の「自然国家」展、オープニングに参加、刺激的です+水族館劇場、観ました!

 春愁の 人しやがみ 野は曲るなり    (高橋 睦郎)  睦郎氏の句集『十年』から引きました。これ、「しやがみ」も「曲る」も、典拠は西脇順三郎でしょう。晩年は俳諧的な諧謔を重んじた西脇でした。西脇ワールドに春愁をとり合わせたところが、この句のお手柄。面白い一句です。  北品川の原美術館では、「自然国家 Dreami…
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デュシャンと全裸でチェスをするのはイヴ・バビッツ+川村記念美のJ・コーネル展のオープニング

   噴水の りちぎに噴けり 万愚節      (久保田 万太郎)  季語の万愚節(ばんぐせつ)は、エープリルフールのこと、四月馬鹿とも言いますね。今年は明日がそれにあたりますが、今年の4月1日は特別です。平成に替わる新元号の発表が、午前11時半にあるとか。4月1日の午前中ならウソをついてもOKというのですから、贋の新元号があち…
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庭園美術館では岡上淑子展、素敵です

  家に居る 漁夫に雲湧く 春の山     (飯田 龍太)  父の蛇笏はもちろん、息子の龍太も甲斐の国に生まれて育ちました。ですから、「漁夫」の一語が新鮮?ですね。川魚を獲る漁夫、と読んでいいのかな。漁を休んで寛いでいる家のうしろに雲がもくもくと湧いた、という山国の春の平和な情景でしょう。  さて、まずこのフォトコラージ…
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ブライアン・フェリーのライヴ、感動しました+ボルタンスキー展+鞍馬山を訪ねました

  春山に まつつてみたき 石地蔵      (安東 次男)  あんつぐ、こと安東次男にこんな句がありました。地味ですが、なかなか佳い句です。あんつぐさんは骨董の蒐集にもおおいに情熱を注ぎ、独特の目利きでしたが、素朴な石の地蔵さんが気に入ったのでしょう。  さて、3月11日、でした。あの大災厄から8年のこの日、大阪は難波…
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永青文庫の石仏展、いいですよ+作家・宇江敏勝さんと室野井洋子さんのこと

  宵はやく やすむ水車や 春の水   (芝 不器男)  不器男の育った愛媛県の南予の松丸村には、水量豊かな広見川が流れているので、水車もかなりあったでしょう。春は夕方になると川の流れがゆるやかになるのか、水車が動かなくなった、という情景を詠んだもの。久々にご紹介する不器男の句ですが、やはり佳いですね。  先日、目白台の…
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掛け軸を「雛人形之図」に替えました+国立新美のイケムラレイコ展、見応えあります

   原稿紙 まだ白のまま 桃の花   (森 澄雄)  森澄雄は、安東次男や金子兜太と同じ、加藤楸邨の結社「寒雷」の門下ですが、楸邨の端正な句風を一番ストレートに受け継いでいます。桃の花が咲いて季節は春、万事がモゾモゾと発動しだす季節ですのに、詩心は動かないのか、句を書こうとする原稿用紙は白いまま。わかりやすいですね(笑)。 …
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東博の顔真卿展、これは見逃せません。

   四角な冬空 万葉集にはなき冬空     (加藤 楸邨)  これは面白い作ですね。タワービルが建ち並ぶ品川あたりの情景を思い浮かべるといいでしょう。大岡信さんも「折々のうた」に選んで、「短句よく現代の空間をとらえて、ほろ苦い諧謔もある」という流石の鑑賞をしています。  現在、上野の東博では「顔真卿ー王羲之を超え…
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多摩地方、鎌倉古道を歩いて小野路宿を探訪+ブライアン・フェリーのライヴ、行きますよ

 春待つや 万葉、古今、新古今    (久保田 万太郎)  面白い句ですね。季語は「春待つや」で冬季です。詞書に「おのづと口にのぼりたる、四文字、三文字、五文字なり」とあるのを、『万太郎の一句』で小澤實さんは、「これは作者の照れが置かせたか」と注釈しています。  僕が昨年の三月まで勤めていた恵泉女学園大学は、多摩市南野2丁目…
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