テーマ:俳句

国立新美のボルタンスキー展、見応えがあります+『荷風と玉の井』トークイベント、なかなかの盛況でした

 金魚大鱗(きんぎょ たいりん) 夕焼(ゆやけ)の空の如きあり   (松本 たかし)  関東地方、やっと長い梅雨が明けました。この句、赤い金魚の大きな鱗を詠んだものですが、例えられた夕焼けの空、まさに梅雨明けの真夏の夕空、でしょうね。作者は、明治39年に宝生流の能役者の家に生まれたのですが、病身のために能楽の世界に生きることを…
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東博の東寺展、帝釈天像は見逃せませんぞ+府中市美のへそまがり日本美術、愉快でした

   乙鳥(つばくろ)や 小路名多き 京の町    (井上 井月)  信州伊奈の放浪俳人・井上井月(せいげつ)は江戸末期のひと。「乞食井月」と称され、最期は路傍に野垂れ死にだったそうですが、品のある佳句をたくさん残していて、芥川龍之介がファンでした。現在、『井月句集』は岩波文庫です。燕を詠んだこの句、確かに燕の視線からは、京の町…
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砂丘館では加藤啓展と俳誌「白茅」創刊記念イベント+新潟の「豪農の館」に感動しました

   春寒や 棄民にとほき 夕ごころ      (安東 次男)  俳句のなかに「棄民」なんていう言葉を持ってくるところは、さすがあんつぐさん、です。棄民、政府によって切り捨てられた元自国民、という意味ですが。詩人の中村稔さんが、「普通の俳人の俳句とは違うところがある。句以前の世界の拡がりがあり、その世界が十七文字に凝縮されている…
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庭園美術館では岡上淑子展、素敵です

  家に居る 漁夫に雲湧く 春の山     (飯田 龍太)  父の蛇笏はもちろん、息子の龍太も甲斐の国に生まれて育ちました。ですから、「漁夫」の一語が新鮮?ですね。川魚を獲る漁夫、と読んでいいのかな。漁を休んで寛いでいる家のうしろに雲がもくもくと湧いた、という山国の春の平和な情景でしょう。  さて、まずこのフォトコラージ…
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ブライアン・フェリーのライヴ、感動しました+ボルタンスキー展+鞍馬山を訪ねました

  春山に まつつてみたき 石地蔵      (安東 次男)  あんつぐ、こと安東次男にこんな句がありました。地味ですが、なかなか佳い句です。あんつぐさんは骨董の蒐集にもおおいに情熱を注ぎ、独特の目利きでしたが、素朴な石の地蔵さんが気に入ったのでしょう。  さて、3月11日、でした。あの大災厄から8年のこの日、大阪は難波…
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東博の顔真卿展、これは見逃せません。

   四角な冬空 万葉集にはなき冬空     (加藤 楸邨)  これは面白い作ですね。タワービルが建ち並ぶ品川あたりの情景を思い浮かべるといいでしょう。大岡信さんも「折々のうた」に選んで、「短句よく現代の空間をとらえて、ほろ苦い諧謔もある」という流石の鑑賞をしています。  現在、上野の東博では「顔真卿ー王羲之を超え…
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うらわ美術館のアートブック展は要注意です+東博のデュシャン展、収穫大でした

   こぞのゆき 文友詩敵 なくもがな      (加藤 郁乎) 「こぞのゆき」というのは、あの犯罪者詩人フランソワ・ヴィヨンの名フレーズ「去年の雪 いま何処」から、です。ともに文学や詩を語る友人がそばにいてほしい、雪もよいの夕暮れ時に、抱いた感慨でしょう。イクヤ先輩、晩年は江戸座俳諧の趣味が合うというので、飯島耕一さんと親しか…
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